世上无难事 只怕有心人 ~東京から北京へ~

東京大学教養学部で国際関係論を学ぶ4年生。2016年9月から2017年6月まで北京大学に交換留学。

中国語の授業

今日は(ついに)ボクが受けている中国語の授業について書く。

 

ボクはこの学期、中国語の授業だけしか取っていない。国際関係や民主主義に関する探求もお休みである。理由は簡単に言えば

・今まで散々サボってきた語学の勉強に集中したいとの思いが強い(同時に色々できない不器用な人間なので)

・中国語の授業の内容が大変充実している

・そもそも、中国語の授業と国際関係や中国政治の授業がかぶっていて、物理的に後者を全然履修できない…

というところである。

 

もちろん、4年生になってまで、すでに学び終えているべき語学の勉強ばかりして、専門的な勉強ができていないことの焦りも少しはあるのだが、今学期で語学の実力を十分に高めて(HSK6級を絶対にとる)、来学期はこれらの勉強を存分にしようと考えている。さて、いま受けている授業を簡単に紹介するとしよう。

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①汉语

中国語の読解の授業。週8時間。以下の授業も全部そうだが、対外漢語教育学院という、外国人に中国語を教えるために存在する機関の授業で、先生は全て中国語で授業を行う。①と②は同じクラスで行う。日本人4人(残りの3人は同志社の学生)、イギリス人3人、オーストラリア人2人、ドイツ人・スペイン人・アメリカ人各1人の計12人という構成である。先生はとても優しいし、北京という街の成り立ちや中国の各地方の人々の気質の違い、ネットスラングなどについても解説してくれたりするので、楽しくて時間が経つのはあっという間である。

②口语

会話の授業。週6時間。教科書に沿って進めるのだが、「とにかく発音をさせられる」「クラスメイトと話し合う機会が多い」ために大変活気がある授業である。今週の月曜日の授業では、「漫才」というテーマでスピーチをして、大変よい評価をもらった(はず)。

③视听说

中国の超人気ドラマ「家有儿女」(「大好き5つ子ちゃん」みたいなドラマ)を教科書化し、映像を見ながら中国語を学ぶ講義。週4時間。これは少し簡単すぎて退屈…。

④语言文化

オムニバス形式で中国の言語や関連文化を学ぶ講義。週2時間。対外漢語教育学院の授業だが、唯一中国語「で」学んでいる充実感を味わえる講義。簡体字繁体字、中国仏教などの硬めのテーマもあれば、「中国の流行歌」という軽いテーマの時もあって面白い(中国の"流行歌"は80年代まで「祖国」とか「社会主義革命」とか「毛沢東」とかを歌ったものが主流だったしい。こわい…。)

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最初のブログでは中国語ができなくて不甲斐ないという感想をを綴っていたのだが、今は確実に進歩を感じながら自信を持って勉強している。日常会話の中で実践する機会が常にあることがモチベーションになっている(南京の時もこんな気分だったっけ)

そして、対外漢語教育学院の先生は全て、外国人に中国語を教えるプロフェッショナルである。中国語を中国語でわかりやすく教えるのにも慣れているし、生徒を鼓舞し導くのが大変うまい(「この先生テキトーにやってるな…」という先生がいない)

 

この授業を受けてみて、僭越ながら日本の語学教育に関する意見を持つに至った。

<日本人に対する外国語教育>

東大でも中国語の授業はたくさん受けてきたが、北京大学の授業の方が格段に楽しいし、進歩も早い。日本の中国語教育でも、「中国人が教える」「中国語で教える」「文法を一方的に講義するのではなく実践の機会を設ける」。これくらいできないものだろうか?一文一文和訳をさせるのとかすごくナンセンスである。

そもそも、日本人以外の外国人留学生は当然のようにみな英語を流暢に話せている。彼らは当たり前のように、英語ネイティブの教師に、英語で授業を受けてきているという。日本人のボクがすごくつたない英語を少しでもしゃべると"I really think that your English is very good" とかお世辞で言われる。

語学教育のやり方を変えたほうがいいことは(留学なんかしなくても少し考えれば)誰でもわかることなのに、それでも変わらないのは、大学の授業のみならず、入試や教師の資格制度、中学・高校のカリキュラムなど全て変えなければならず、その旗振り役となるリーダーがいないからなのか…。

<外国人に対する日本語教育

東大にも、対外漢語教育学院のような機関があったらなと思う。日本で日本語を勉強したい学生は、体系的に日本語を学ぶ場所日本の大学にないので、日本語学校に行くしかない。大学の留学生はいつまでたっても増えないから、各国のトップ層に日本に親しんでもらう機会が作れないし、日本人在学生が留学生と交流する機会も大変希少になる。

中国では北京だけでも、北京・清華・北京語言・北京師範・人民などの各大学に、中国語の学習機関が設けられている。日本はアニメがあっても、ソニーがあっても、スシがあっても、日本語を理解する外国人を増やせなければ、ソフトパワーで圧倒的に中国に負けてしまうだろう…。

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とにかく、朝8時からの授業にも(寮と教室が近いこともあって)適応し、「授業をサボる怠惰なヤツ」という自己認識も改善されつつある。語学のモチベーションが皆無だった自分がこんなに楽しく語学を勉強できるとは思わなかった。やっぱり留学にきてよかったー。

 

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